2013年5月19日(日)

「無色」の魅力

「個性が人からわかりやすい(個性が強い)人がいればそうでない人もいる」

こんにちは、木村です。

先日「つい買ってしまった」村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読み終えました。これまでの多くの作品同様に、若者が抱える孤独と恋愛の話がテーマの中心と感じました。

久しぶりに読みましたが、独特の比喩表現の心地よさは健在で、色と音楽を巧に交えながら進行していく物語はやはりセンスの良いものでした。

主人公の多崎つくるが私と同世代ということもあり、読みながらいまここにいる自分だけでなく、過去からの積み重ねでここにいる自分や、いまのここだけでない時と空間の広がりを思い起こさせてくれました。ただ、主人公が過去を振り返るのと一緒に、その都度私も過去を振り返らせられ、とても疲れもしました。

作中にもあった通り、「個性が人からわかりやすい(個性が強い)人がいればそうでない人もいる」とは、同感です。「色彩を持たない多崎つくる」でしたが、実はとても色鮮やかな方だと思いました。

個性がないと思われがちな「無色」な感じが、実は清潔で謙虚で、繊細で思いやりのある魅力的な人物に感じました。主人公はマイナス思考で陰な性質の持ち主でもありますが、30代後半で、ほんの少しだけど前に進むことが出来たのは気持ちが良かったです。

私自身も、この本を読むことによって、ここのところ仕事に没頭しすぎていて、心が乾き気味だったことに気づくことができました。

 

 

今、夜7時半ですが、子供たちに「GEOにでも散歩にいく?」と言ったら、いつも私にはクールな2人が、「行くー!」とはしゃいでいます。